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冬の日本海

昨日は福井県小浜市に行って来ました。例の「Yes,We can!!」で盛り上がっていた小浜市です。
電車とバスで家からだと4時間かかりました。

きっかけは「へしこ」という若狭地方独特の食を紹介した新聞の日曜版を見て、「これは一度食べに行かねばw」と思い立ったこと。通販では味気ない。
若狭は「御食国(みけつくに)」といわれ古代から食材の宝庫。朝廷へ産物を納めていた歴史があります。

先日、若狭湾で取れた魚や塩が送られてきていたという事を示す木簡が藤原京跡から発掘されて、更に興味を持ち、小浜は「海の奈良」といわれるくらい国宝級の寺が多いということでさらに興味が沸いてきました。

奈良で3月に行われる「お水取り」。若狭には「お水送り」という行事があると知りました。若狭の水は奈良へ地下で繋がっているという伝説もあるようです。お水取りが行われる二月堂には「若狭井」という井戸があります。というわけで、実は小浜と奈良は深い関係にあったんです。
もちろん京都にも海の幸は運ばれ、有名な「鯖街道」が何本も若狭と京都を繋いでました。

さて「へしこ」。
鯖の内臓を取って大量に塩をすり込んで1週間寝かしたあと、鯖の間にぬかを詰め、樽につけて約1年寝かしたものです。
お料理は新聞の日曜版に載ってた田烏地区の「佐助」という民宿でいただきました。
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ぬかをおとして切っただけの"さしみ"、レモン汁をかけて食べる・・・しかし舌がしびれる程塩辛い!
ご飯と一緒じゃないと食べれません。でも何とも言えないうまみがあります。佐助さんのへしこは昔ながらの作り方でみりんなど余計な調味料を入れてないそうなので、五感に訴える強烈な味覚です。しかし酒には合う(笑)お茶漬けにするとご飯何杯でもいけそう。
冬の日本海_f0172142_11265444.jpg

そしてへしこを1晩水にさらして塩抜きし、こうじとご飯を混ぜたものを鯖の腹につめ、漬けたものが「なれずし」
こっちは味がまろやかで、そのままでもバクバク食べてしまえるほど旨い。
ちなみになれずしもへしこも臭いは気になりませんでしたよ・・・

その他、若狭湾で獲れたカキを殻つきで焼いたものや、若いふぐの澄まし汁、ナマコのおろしあえなど海の幸満載のお昼ご飯をいただいて満足でした。ついでに若狭は水も美味しかった。

私は「へしこ」自体その日曜版で初めて知ったのですが、「佐助」のご主人森下さんによるとへしこが全国に知られるようになって10年くらいらしいです。なれずしは有名ですけどね。
新聞に載った事で全国から注文の電話が来るとおっしゃってました。でも万人向けの味かと言うとどうかな。
でも味を万人向けになどせず、昔ながらの激塩辛いへしこの味を守って行って欲しいです。

へしこを食べた後は小浜市の中心へ行き、鯖街道資料館(商店街の中にあるこじんまりとした資料館)や、「おばま食文化館(マーメイドプラザ)」などを見学。
アメリカ大統領誕生で沸いた小浜市ですが、実際はひっそりしたところで何とも言えない味があり(正直寂しい)、冬の日本海はどんより灰色の雲と時雨、荒れる海もイメージそのまんま、という感じで冬に寒いところへ行くのもまたおつだな、と思いながら帰って来ました。
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ただやたら強い風が吹いていて、山々が霞んでいておかしいなと思っていると、なんと何十年ぶりで冬に黄砂が飛んで来ていたというから・・・閉口しました。

それはともかく日帰りで時間がなく、蘇洞門めぐり、お寺などへは全く行けなかったので、今度は泊りがけでゆっくり廻って見たいところです。

by loviemma | 2009-12-27 11:37 | 日常  

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